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DAILY OKAPPA

ただの主婦の雑記帳

パンの思い出

http://www.flickr.com/photos/13066221@N03/2584062428

photo by revedavion.com

脳の前方にある前頭葉がワークせず昔から苦労ばかりしている。前頭葉は記憶のメモバッドみたいなもので、ここに仮置きされた短期記憶はワーキングメモリとか呼ばれ、自由に出し入れして使えるようになっている。

しかし、この前頭葉が衰えてくると、あらゆる面でパフォーマンスが低下し、複数のタスクを並行して行うことが困難になる。たとえば、何か一つの事に集中しているときに別のイレギュラーな案件が飛び込んで来てもうまく対応できないとか。あるいは対応したとしても通常業務にスムーズに戻ることができなかったりして苦労する。

2つのことを同時進行でできないのだから、何かイベントがあるとブログはすぐに滞る。別に滞っても構わないが、家事とか勉強とかそういうものが滞るのは困る…。

☆ ☆ ☆

むかしきょうだいから「塾に行くからパン焼いてくれ」と言われたときのこと。それはちょうど楽しみにしているアニメの再放送の時間帯で、アニメに集中したい私は不服だった。だが、「急いでんのっ!」とキレ気味に言われ、おとなしく従った。

テレビを気にしながらトースターにトーストを置いた。まもなく「チン」といってトーストが焼けたので、私はテレビを気にしながら上の空でマーガリンを塗った。そして、おおかた塗り終えた頃、私の脳はそれがきょうだいのものであるということをすっかり忘れていたのである。

私はトーストにかじりついた。四つ角の一角にきれいな歯型がついたところで、身仕度中のきょうだいが通りかかり、「ちょっ!!!」と怒りの声を上げた。私は自分でもびっくりして「わー、ごめんごめん」とか言いながら急いで新しいトーストを焼いた。

☆ ☆ ☆

再びトースターが「チン」と鳴り、2枚目のトーストが焼けた。私はトーストを取り出し、テレビを気にしながらまた上の空でマーガリンを塗った。そして、おおかた塗り終えた頃、私の脳はつい先ほどの失敗を消し去っていた。

私は再びトーストにかじりついた。そして、トーストが焼けたかどうか見に来たきょうだいに怒りをぶつけられた私は心底びっくりして、大慌てで「ごめんごめん」とか言いながら3枚目のトーストを焼きにかかった。

☆ ☆ ☆

アニメは佳境にさしかかっていた。トースターが「チン」と鳴り、3枚目のトーストが焼けた。私は塗り始める前に「今度こそ大丈夫」と自分に言い聞かせたが、アニメはヤマ場を迎えていた。私はテレビを見ながらトーストにマーガリンを塗った。

しかし、おおかた塗り終えたころ、あろうことか私はまたその一角にかぶりついた。

かぶりついた瞬間、「あ!」と声が出た。身支度を終えてやって来たきょうだいもさすがに呆れて、怒りもしなかった。「もういいわ」と言って歯型部分を切り取って食べ、でかけていった。

 ☆ ☆ ☆

このようにして子供時代から自分のワーキングメモリー問題について案じてきた。案の定、その後の人生で私は相当の苦労することになるが、たいていのことはどうにかなってしまうものである。

ただ、たまに他人に迷惑をかけてしまうのが辛いだけである。

=おわり=